

研修報告として、今回は教育制度について取り上げます。
幼稚園で大事にしていること・就学前の課題 子どもが自分の事をよく知って、自分で考えられること、人と関われることが大事。自分を認め、人を認める。就学前までに、1人の人間として自分が誰で、自分の事が考えられること。仲間と関われることが出来るようにすること、集中力を創り上げていく事を大事にしていくとのことでした。印象的なのは自分を知ると言うことを何回もおっしゃったことです。 ☆ドイツやオーストリアの教育制度について 私は何度もこの研修に参加しながら、ドイツやオーストリアの教育制度をほとんど知らないことに気がつきました。オルフ小学校は4年生までで、その後の進路を決め3つの学校に分かれます。日本はほとんどの人が大学に行くようになり、就職前に自分が何をやりたいか考えたり、就職活動にはどこの大学出身かが問われるような現状を思うと、4年生でもう進路を決めるのはずいぶん早すぎるのではないか?かわいそうなのではないかと柴田先生にお聞きしたことがありました。その時、ドイツではどこの大学に行くかではなく、何を自分は学びたいかが大事!職人になりたいなら、早くから専門的な知識を得たり、修行出来る方が技術が磨ける。職人にマイスターという称号が与えられるように社会から認められ、自分の職業に誇りを持っている国民だと言うことが分かりました。 またドイツ語はYES、NOをはっきりさせる言語なので、家庭の中でも学校の中でも自分の意思を明確にすること、自分の意見を持つことを求められることでもあり、だからこそお互いに人の意見や考えを尊重するという立場を取ることが可能になるそうです。誰に対してもその人間の解釈を認めてくれる許容力をもっている。だからこそ、教育現場や芸術分野でそれぞれの表現を認めると言うことに繋がっていくのだそうです。 この柴田先生の「ドイツにおける表現教育」の中のこの一文を読んだ時、幼稚園の園長先生が何度も自分を知る、自分の意見を持つことを大切にする教育の背景が分かりました。日本のようにどこの大学に入るか、どこの中学に入るかの為に、詰め込みの受験教育をすることで本当は自分は何が好きで、どういうことがあっているかなど考える暇もない今の教育の問題点が見えてくるような気がしました。幼児期・学童期をたっぷりとした愛情と自然に囲まれてゆったりと過ごし、自分を知り、自分の適正に気付き、自分の進むべき道を歩み出すことは土台がしっかり出来ているので不登校や引きこもりなど、日本で起きている思春期の問題が発生することが少ないのではないかと思います。ドイツ・オーストリアの考え方をストレートに持ってこられないとしても、人間を大事にする根本的な精神は学ぶべきことがあり、もっと関心を持って見ていきたいと思いました。 参考までにドイツの教育制度を載せておきます。 編集: 川合 早久枝ドイツご出身のアネッテ 植松さんとのインタービューの内容をもとに小雑誌「ドイツの実情」-翻訳(ドイツの実情研究会/プリンテックス(株)制作、インターネットの無料辞典「Wikipedia」などを参考に編集されたものから。
Grundschule(小学校)1~4学年原則として、その年の6月30日までに満6才になる児童が対象になりますが、12月30日までに満6才にある児童でも能力次第で(通常幼稚園での観察で判断される)許可される場合があります。学校は、午前7時半から8時15分の間に始まり、12時には、終わり、給食は無く、子供たちは、おやつにパン、果物、野菜など持ってきて、勉強が終るとすぐ家に帰ります。科目も一般的な科目以外に宗教教育があります。学校へは、自転車通学も可能なので、自転車の交通教育が実施されています。休みには、宿題など出ないようです。 |