2004/7/8更新

     読書のご案内     

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絵本のページ4回目は
幼稚園のアドバイザーの先生に
絵本についてお話を伺いました


いよいよ7月! 夏休みが近づいてきましたね。お子さん達はそれぞれのペースで幼稚園生活にも慣れて、楽しめるようになってきたことと思います。夏休みは親子でゆっくり触れ合う事のできるチャンスです。

 暑さに負けないように頑張って「歯ごたえのある精神のごちそう」『読書』を親子で楽しみませんか?

 さて、「1冊でもいいから、繰り返し読めるお気に入りの本に出会えれば、子どもにとっては一番の幸せです。

 そして、小さい子ども達が本に親しみを持つために、親ができることはただ一つ。声を出して読んであげることです。」とおっしゃっているのは、東京子ども図書館理事長の松岡享子さんです。そして、さらに「子どもたちがお話を聞きながらイメージを膨らませ、お話と実生活との間を行きつ戻りつしながら、物語から得たものを心の中で味わってみて、初めて読書が本当に意味のあるものになる」と言っています。また、「読み聞かせは知性の泉」とおっしゃっている「家庭でのばす見えない学力」の著者、岸本裕史氏は次の様に言っています。「読み聞かせは幼児に理性を芽生えさせ、感性に幅と深さをもたらせる。」そして、「幼児期に読み聞かせの体験を数多く持った子どもは、小学校に入学してから、学力の獲得にあまり苦労せずにすむ」と言っています。

 この様に絵本の読み聞かせはとても大事なことです。単に文字が読めるということとは違うのです。読み手であるお母様が子どもに気持ちを向け、寄り添う事が大切です。だっこをするように子どもを言葉で包んであげてください。文字を読めない時代をもっと大切にしてください。子どもは絵を見ながら物語全体を味わい、いろんなことを理解しています。字を覚えるまえに、耳から入ってくる言葉もたっぷり味わってもらいたいものです。字が読めるようになったら、本は自分で読みなさいというのではなく、解説は避けて一緒に楽しんで下さい。「読んで!読んで!」と何度もせがむ本は、子どもにとっては、楽しくて、吸収するものがいっぱいある“心の宝物”なのです。

 皆さんは自分の子ども時代にこんな経験をしたことはありますか?バラバラに覚えていた「あいうえお」が文章の中で見付かり、文として読めたときのことを!私は何十年前のその時の場面をはっきり思い出します。多分年長組のときのことだと思います。

 「すくすくのびたむぎのほを みどりのかぜがなでてゆく もっとのびよとなでてゆく・・・」キンダーブックに載った詩が読めた時です。文字と文章が一致した瞬間でした。子ども心にも本が読めるということはいいことだなーと思いました。子どもが読書に親しんでいくにはいろいろな方法があります。その過程を大切に 。