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今年は一人での参加です。(写真1)行こうか、どうしようかと迷ったのですが、締め切り間際にやっぱり行こうと決心をして申し込みました。そして、やっぱり行って良かったと思っています。今年は研修のみで、その後の観光をせずに帰ってきたので、研修で得たことを思い出しながら、良かったなあと余韻を楽しんでいます。原点に戻って自分をリセットするために行ったような気がします。

今年は一人での参加
後ろがオルフ小学校
小学校の校庭から見える景色ホーエンザルツブルグ城が
見えるザルツの町

南ドイツバイエルン地方の小さな町、トラウンヴァルヒェンに滞在し、ザルツブルグのオルフ研究所の先生や小学校の校長先生の授業を受けます。なんと言っても、そこで受ける充実した授業が魅力です。そして、私が大学時代から勉強してきたカール・オルフの教育の魅力でもあることがはっきりとわかってきました。カール・オルフは「カルミナ・ブラーナ」と「子どものための音楽」(Musik für Kinder)等を残した偉大な作曲家であり、メソッドを残さなかった偉大な音楽教育家でもあります。私はメソッドを残さなかったことの本当の価値がわかってなかったのですが、30年前に一人でしばらく滞在して研修を受けた時、音楽の技術を取得する以前に大事なことが沢山あり、それを実現できるのは幼稚園という未分化な自由な時間と空間がある場ではないかと思ったのを覚えています。そして何よりも「あなたはあなたのやり方を大事にしなさい!」という精神が流れていたのに感激したのです。それはオルフの理念であり、そこにいる人間が大事ということが根底にあったのだと思います。そして3年連続して研修をうけ、オルフの教育の奥の深さをまた再確認しました。どの先生も全人教育を目的にして、技術的な事が出来ることが目的ではないことを言ってます。 音楽の成績が一番になることよりも大事なのは音楽を愛すること!出来ないことがあったら、その子が楽しく、喜んでやれることを見つけてあげることが大切!自分を信頼し、勇気を持って生きるために、その子、その人を支えてあげることの方が大切だと・・・・!それには一人一人の子どもを良くみることだとも・・・・・ 私たち保育者が目指すべき方向と一致していて、改めて気を引き締めて保育にあたりたいと強く思って帰ってきました。

1年生の教室
後ろでくつろげる空間がある
幼稚園の庭あなたはいくつ?3歳児かな?

子どもたちの授業も見学しました。バイエルン地方は最後に夏休みに入るので、すれすれに見せていただくことが出来たのです。そして、子どもたちと交流もしました。ここの小学校は普通の小学校なので、他の授業も当然ありますが、音楽の割合は多くなっています。音楽が他の教科にも良い影響があるそうです。授業ではけっして一人一人の表現を否定しないので、子どもたちがまだうまく出来ない子もどんどん手を挙げてみんなの前でもやってみる、それを先生が「いいねえ!すばらしい!」とにこにこして認めている、そんな光景に何度も出会いました。楽しい!子どもたちの表情からわかります。私たちにも同じように接してくださるので、みんな勇気を持ってどんどん即興演奏や動きをやるようになって、顔が輝いていくのがわかります。先生たちが子どもたちの意見を採り上げ、創り出す場面が実に多く、そのやりとりをもっと知りたいと思いました。ドイツ語がわかると良いのにと今年ほど思ったことはありません。幼稚園の子どもたちも可愛いお部屋やお庭でゆったりと過ごしていてうらやましいの一言です。

いつも可愛いお部屋!
うらやましい!
小学生と交流見学したときの小学生が
慕ってくれて・・

コーディネーターとしてすべてのお世話をしてくださる柴田礼子先生にはエデュテイメントカレッジの養成講座でもお世話になりましたが、先生方から信頼され、愛されているからこそ、すばらしい先生方が毎年いらしてくださるのだと思います。感謝の一言です。 この研修で毎日の忙しさから、鈍感になっていた感覚を呼び覚まし、目頭が熱くなるような、心がふるえるような感動体験を度々することができました。オルフの先生の人間味あふれる笑顔に接していると本当に原点に戻るような気持ちになります。教育者としての自分をますます磨いていきたいと思います。目指すべき道を再確認出来た幸せを感じつつ、みんなが主役、みんなニコニコしながら楽しい空間がつくりだせる魅力のある幼稚園を目指します。2学期、子どもたちに会うのを楽しみにしています。

ラインホルト先生と再会あこがれの
ユングマイヤー先生と
バーバラ・アスペルガー先生と柴田先生
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